2016年07月22日

イギリスのEU離脱をめぐる課題〜何が問われているか?〜

◎2016年第5回関西政治社会学会研究会
 同志社大学人文科学研究所 共同研究会
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日時 2016年7月23日(土)13時00分-18時25分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階共同研究室SK288

参加自由、参加費無料
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2部 テーマ「イギリスのEU離脱をめぐる課題〜何が問われているか〜」
15時25分-18時15分 (170分)

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報告者1、鷲江義勝氏 同志社大学法学部教授 日本EU学会理事
題目「イギリスのEU離脱の背景と影響」 (40分)

要旨
6月23日に行われた国民投票によって、イギリスのEU離脱が決定的となった。本報告ではこの国民投票をめぐる賛否両論に入る前に、EUという組織が単なる経済組織ではなく、欧州統合を目指す特異な政治組織であることを明確にする。そのために、EUあるいは欧州統合の理念を明らかにした上で、多くの地域で見られる自由貿易連合との違いを明らかにする。それを受けて、欧州統合とイギリスの考え方の違いを明確にし、今回のEU離脱論争を捉え直したい。欧州統合の理念と単なる自由貿易地域の違いは、ドイツやフランスなどの西欧諸国のEUに対する姿勢とイギリスのEUに対する姿勢そのものであり、今一度、欧州統合とは何かを明らかにする予定である。
 また、イギリスのEUからの離脱手続過程についても解説していく予定である。ただし、現状は、かなり流動的であり、離脱交渉の9月開始の観測から離脱の撤回や再度の国民投票の実施の可能性まで囁かれており、はっきりとした見通しは困難な状況である。したって、その中でも可能性の高いものいくつか示唆することで、今後の可能性についても示唆したい。

質問 (5分)

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報告者2、榎木英介氏 近畿大学医学部講師 サイエンス・サポート・アソシエーション代表
題目「イギリスのEU離脱で科学技術はどうなるか?」 (40分)

要旨
去る6月23日、英国で行われた、EU離脱の可否を問う国民投票は、英国およびEUの研究者に大きな衝撃を与えた。科学技術関連分野において、英国はEUに対し、独仏伊に次ぐ拠出金を出す一方、EUからの恩恵も受けており、国民投票前から研究者たちはEU残留を希望していたからだ。
EUの研究予算は、欧州諸国全体の政府による研究開発資金の6パーセントに過ぎないが、各国の政府の予算はプロジェクト研究に配分されており、個々の研究者が獲得できるものとしては、EUの研究費(ホライズン2020)は非常に重要なものとなっている。また、研究基盤に関する欧州戦略フォーラム(ESFRI)はEUの組織ではないが、一国ではできない大型研究施設などを、いつ頃どこに設置するかなどロードマップを発表している。これらの研究施設のほとんどはEUからの資金を受けている。そして、「マリー・キューリー・アクション」は、国の枠を超え若手研究者を育成し、移動を促している。英国を含むEUの上位国は、人材獲得の面でも、EUから利益を得ている。
英国が抜けたEU、そしてEUから抜けた英国の科学技術がどうなるか…報道等をもとに私見をまじえ考えてみたい。

質問 (5分)

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報告者3、三石博行氏 京都奈良EU協会副代表、哲学博士(ストラスブール大学) (25分)
題目「イギリスEU離脱を巡る国民投票の結果とその評価」

要旨
イギリスのEU離脱問題は、色々な見解や憶測が飛び交う中、国際化する21世紀社会に課題を突き付けている。一つは、平和的共存を確立するためにこれまでの国民国家制度を脱し国際地域連合国家の形成を進めるための最も現実的な過程とは何か、それはどのように可能なのかと言う課題である。もう一点は、法の支配、個人の自由と人権の尊重、社会的平等と公共性を尊守する社会文化の形成を前提とする民主主義社会の形成、その一つの手段としての国民投票の在り方に関する課題である。議論を整理するために、ここでは、二つ目の課題に重点を置いて問題を整理してみる。何故なら、今後、EU内部でEU懐疑派と呼ばれる政党や人々が、イギリスと同様に国民投票でEU離脱を決定してくるからである。この国民投票の結果によって、離脱に反対する人々や報道機関・ジャーナリストから、国民投票自体を否定する意見が出されることに危機感を感じる。どのような国民の総意や民主的手段によって、今後のEU政治システムが運営されるべきかを議論したい。それは、今後憲法改正を巡る国民投票の可能性を持つ我国の問題に直結する課題でもある。

質問 (5分)

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グループデスカッション(50分)

デスカッション (40分)
グループ報告 (10分) 

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閉会の挨拶 18時15分-18時25分 (10分)
新川達郎氏(政治社会学会理事長、同志社大学教授)

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関西政治社会学会事務局 連絡
同志社大学 烏丸キャンパス志高館
大学大学院総合政策科学研究科新川研究室内
連絡先:三石博行 Ph.D(哲学 フランス ストラスブール大学)
Hiroyuki Mitsuishi  
hiro.mitsuishi@gmail.com
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第5回関西政治社会学会研究会1部「食文化-京料理を語る-」の内容はこちら。
日時 2016年7月23日(土)13時05分-15時05分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館2階共同研究室SK288
https://www.doshisha.ac.jp/inform…/…/imadegawa/karasuma.html

参加自由、参加費無料
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1部 テーマ「食文化-京料理を語る-」13時05分-15時05分 (120分)

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司会者 佐藤洋一郎氏(大学共同利用機構法人 人間文化研究機構理事 (15分)

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話題提供者:松本隆司氏(「招猩庵 店主) (60分)
「和食・京料理を語ろう―ちょっと舌がすべってしまいましたが―」

松本さんは二条木屋町下ル、一の舟入にある「招猩庵」の店主です。店は小さな店ですが、驚くほどいろいろなお客さんが来られ、通には名の知れたお店で、お料理と松本さんの絶妙な語りをあてに話が弾み、思わぬ人脈ができたりもします。食材には特にこだわっておられ、「能登牛」「近江八幡の赤こんにゃく」や琵琶湖の魚たちなどがおばんざいふうに並んでいたりもします。一方でカレーライスなどの裏メニューもあって、和食とはなにかを考えるよい機会になります。和食業界は「派閥」があって、なかなか交流がむずかしい状況ですが、どこの「派閥」にも属さない松本さんの目を通して、また、料理の現場からみた食を出席者で考えたいと思います。

質問 (5分)

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グループデスカッション (45分)
松本さんを囲んでざっくばらんにお話を聞きます。

デスカッション (40分)
グループ報告 (5分) 

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同志社大学。京都市内と京都府南部にキャンパス。大学紹介、教育、研究活動、入試情報、公開講座など。
DOSHISHA.AC.JP


posted by nakai at 11:11| 奈良 ☁| Comment(0) | 日欧委員会(京都の催し) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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