その人がどうして奈良で4週間も滞在、特にホームステイをすることになったのでしょうか?
フランスのアヴィニョン(≪アビニョンの橋で 踊るよ 踊るよ アビニョンの橋で輪になって
組んで 花屋さんが通る 八百屋さんも通る…≫で有名)で
翻訳出版関係の仕事をしておられる武者小路実昭から奈良日仏協会に連絡が入った
のがきっかけです(作家の武者小路実篤は実昭さんの大叔父にあたります)。
来日前にミシェルさんにいくつか質問をして頂いた返事の一部です。
「日本で他に行きたいところは京都と広島です」
「どうして奈良かというと、奈良は日本の起源ですべての歴史の始まるところだから、
日本の歴史についての本を読んでじっくりと滞在しなければと思った」
「日本で何を見たいか?
過去と現在のいろんな問題に立ち向かう日本人の姿勢を尊敬していて、
日本の文明をもっと知り、理解したいと思う。お寺や神社、日本史の舞台になった場所、
重要な美術館・博物館を訪れたい」
「ほかに姫路と鎌倉に行きたい。また可能なら富士山を見て登りたい。福井の永平寺にも行きたい」
「日本の素晴らしい現代建築も見たい」
9日のEU英語クラブの前に少し時間があったので、奈良観光の1日目(奈良県に滞在して15日目ですが、
広島や姫路に行ったのに東大寺をはじめとする奈良市観光はその日がはじめてでした!)を終えた
ミシェルさんにお話聞いてみました。
Q):はじめての奈良市はいかがでしたか?
A):アーケードも綺麗な大きな町ですね。私の好きなアラビアの町に似ています。
東大寺の規模と大仏には圧倒されました。
Q):2回目の日本滞在から2週間立ちました。あらたな日本の印象を持ちましたか?
A):前に来た北海道とは全然違います。まったく違う世界です。
前は鳥類の観察に来てましたから。農家の規模も違います。
Q):いくつもの日本のファミリーに滞在して感じたことは?
A):いままでに4つのファミリーで滞在しましたが、皆さんご親切で快適な滞在をしました。
腰が痛くなった時もご主人から薬を頂き、かなり良くなりました。
Q):あなたは高校の先生でしたが、日本の高校を訪れていかがでした?
A):もう「決してjamais」高校には足を踏み入れないと思っていましたが、
今日決して「決して」とは言ってはいけないと思いました。
Il ne faut jamais dire "jamais".
Q):アヴィニョンで日仏協会Association Antipodes Japonの活動に参加されているそうですね。
どのような会で、どのような活動ですか?
A):日本語教室、日本人との出会い、アヴィニョン大学の日本人学生との交流、ヒッポ・ファミリー
・クラブとの交流、文化活動(横浜の琴と尺八の演奏家、絵画、舞踊、茶道、映画、花見)。
20人くらいの会員がいて私は理事の一人です。
市から無料で借りているMaison de Manonで集まってます。
Q):日本語は5年前から勉強されてますが、今回実地で使ってどうですか?
A):今回フランス語を話す人が多いので機会は少な目ですが、
フランス語で重要な表現を教えてもらいました。
テレビドラマとかを見て意味は良く分かりませんが、生の日本語に
接している実感がします。
EU英語クラブでリーダーのIanがMicheleに質問しました。
Q):スペシャルゲストを迎えました。タンチョウ保護の運動に参加するために来日されたのですね。
A):タンチョウ(丹頂)は戦後は15羽しか残っていませんでした。
この鳥を守るためにいろんな人が集まりました。今は千羽を超えています。
でもまだいろんな問題があります。
Q):インドネシアでは虎が町中に来たり自然・野生と人間の共存は大変です。
A):そうですね。北海道では湿地が減っており、環境が悪化しています。
でも日本にはまだまだ多くの自然、鳥類が残っていますが。
Q):ニュージーランドでも自然の中に港が出来たり問題です。
A):そうですね。経済が自然に優先されることが多いです。
少しずつでも1歩すつでも進めなくてはなりません。
でも、例えば水の問題は大きいです。水は循環しますので。
日本の店でフランスの水が売っているのを見て信じられない思いです。
Q):文学の専門家がどうやって野鳥の専門家家になったのですか?
フランスでは2つ以上のことを集中してやることは多いのですか?
A):昔から科学に興味がありましたので。私の地方には多くの鳥がいて自然に興味が湧いてきました。
一緒に帰るときに京都・奈良EU協会の感想を聞いてみました。
「いろんな国籍の人が自然に集まって、自然にお話が出来、素晴らしいと思いました」